英会話業界の最新事情とは？

J-Net21（https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/service/h030.html）によると、英会話業界は2000年以降成長傾向ですが、2007年の大手英会話スクール閉鎖や2008年からのリーマンショックの影響を受け、一度急激にその受講者数を減らしました。近年ではCOVID-19の影響もあり、英会話業界に限らず、対人を主とする多くの業界が大きな打撃を受けました。

一方で昨今の日本では、学習指導要領の更新（英語を含め全体的に必修範囲が広がり、共通テストでは英語長文の分量が増加）、英語資格（英検：別名『実用英語技能検定』やTOEIC、TOEFLなど）を持つことによる優位性などから、英語力が必要とされる場面は増えています。こうしたことから、英語教育が重要視され、英語を学ぶ機会も増加しています。

このように、英会話スクールの受講者数は一時的に減少したものの、英語の知識や英会話が必要となる場面は少なくありません。ですがCOVID-19により、健康面を案じたり、効率面や金銭面を考えたりすると、直接英会話スクールに赴くことは難しいと考える方もいらっしゃると思います。そこでオンラインやAIを利用した英語教育の需要が増しました。例えば、Web会議ツールを利用したオンライン英会話サービス（DMM英会話など）や、Chat-GPTをはじめとしたAIチャットサービスを利用した英語学習（Speakなど）などが挙げられます。

本コラムでは、インターネットを通して行うオンライン英会話、膨大な情報を利用したAI英会話学習、昔から続いている対面式英会話、と大まかに３つに分け、それぞれの特徴、利点と欠点について見ていきます。

オンライン英会話では、インターネットを介して専門の講師が個別のレッスン行う形式となっています。そのため、場所を選ぶことなく効率的な学習をすることができます。忙しいビジネスマンや家庭の主婦にとっては、英会話をする選択肢の一つとなるでしょう。
他にも、サービス次第ではありますが、以下の利点があります。

• 学習に使用される教材がデータ形式であるため、教材の保管場所の確保が不要
• 24時間365日対応
• 世界中の講師が在籍
  　参考）DMM英会話[https://eikaiwa.dmm.com/]、ネイティブキャンプ[https://nativecamp.net/]

欠点としましては、オンラインであるため、インターネットを利用する環境が不可欠になります。より質の高い会話を意識するのであれば、講師の表情もよく見えたほうが良いため、タブレットやPCといった比較的大きな画面での受講が好ましいと思われます。
他にも、オンラインでは自主性が求められる場合があります。いつでもできるが故に、受講を引き延ばしてしまう方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、決められた時間に決められた場所で勉強する、といった習慣を身に着けましょう。

AIによる英会話学習では、受講者個人のレベルやスタイルに合わせてカスタマイズされた、内容が提供されます。特にカスタマイズの柔軟性が高く、受講者自身の間違えの傾向から、適宜その学習内容が更新されていきます。さらに、AIは24時間いつでも利用できるため、深夜や早朝でも、通学や通勤のちょっとした隙間時間でも学習することが可能です。またAIを使用したサービスは、リスニング、スピーキング、読解、文法、発音など、様々な分野を学習内容を提供してくれます。自身の苦手な分野に絞って学習することも可能です。
他にも、以下の利点があります。

• 対人ではないから緊張しない、気を使わなくてよい
• 簡単に復習できる
• 保持している情報量が突出して多い
  　参考）AI英会話スピークバディ[https://app.speakbuddy.me/]、Speak[https://www.speak.com/jp]

欠点としては、AIによる学習（特に無料で使えるもの）はオンライン以上に自主性が求められることでしょう。AIには、人間に対する拘束力がないため、無理やり勉強させることも、その人の状況に合わせて応援することも難しいと考えられます。また、あまり気にされない方もおりますが、違和感のある文章や翻訳を行ってしまうことも、AIであるが故の欠点です。

以上から、受講者個人にカスタマイズされるものですが、初めて英語を習う方は多少ハードルが高いと思われます。基礎的な英語を理解しており、自身の英語に関する知識の復習や確認、さらなるステップアップを目指している方の使用をおススメします。

オンラインやAIによる英語学習が台頭する一方で、対面式の英会話教室に対する需要もあります。英会話は、結局のところ「会話」であるため、「会」って「話」す必要が出てきます。画面越しに話す時と実際に会って話す時では、相手との距離やその場の空気感が全く異なります。
対面式は文字通り、実際に顔をあわせた英会話ですので、オンライン上やAI相手以上に実践的な英会話を行うことになります。レッスン形式も、マンツーマンレッスンや少人数レッスンなど、ご自身の好みや目標に応じて、様々な形式を選ぶことができます。

他にもオンラインやAIと比べて、対面式では以下のような利点があります。

• 時間や場所が決まっているので、やる気が持続しやすい
• 友達と一緒に参加することができる

欠点としては、近くに英会話スクールがなかったり、忙しくて通う暇がなかったりする場合は受講しにくいことが挙げられます。また、オンラインやAIと比べて料金が高めであることも挙げられます。
以下、簡単に調査したものを並べてみますと、

• 対面式の英会話　…　月額10,000円以上
  • オンライン英会話　…　月額7,000円以下
  • AI英会話　…　月額2,500円程度

と紹介されています。

参考：

• ALL英会話 [https://all-eikaiwa.com/school-cost/]
• 価格.com [https://eikaiwa.kakaku.com/online_english/]
• Business Insider Japan [https://www.businessinsider.jp/post-279447]